- 電池交換しても動かない…
- ムーブメント交換は自分でできる?
腕時計のムーブメント交換は初心者の方にとって難易度が高く、下手をすると腕時計を故障させてしまいます。ただし、正しい知識と工具があれば自分でできる可能性もあります。
この記事を書いた人

モリオ
- 時計店で10年勤務
- 時計修理技能士3級の資格を保有
- 毎日10本以上の腕時計に触れ、電池交換や修理に対応
- 初心者にもわかりやすく解説するのがモットー
この記事では、腕時計のムーブメント交換を自分で行う手順や必要工具、かかる料金を解説します。あわせて「自分でムーブメント交換は難しい、けど修理代が高くて迷っている」という方に向けて、正規メーカーに依頼するよりも安く修理する方法も紹介します。
この記事を読めば、腕時計を故障させるリスクを抑えられます!
腕時計のムーブメントは機械式とクオーツ式の2種類



腕時計のムーブメントは、主に機械式とクオーツ式の2種類があります。それぞれ動力源も構造も異なります。
ムーブメントの特徴を理解しておくと、自分で交換する際の参考になるでしょう。
機械式のムーブメントの特徴
機械式のムーブメントは、巻かれたゼンマイがほどける力によって針を動かす仕組みです。電池を使用していないため、電池交換は不要です。
機械式は細かな部品が数多く使用されているため、衝撃に弱い特徴があります。そのためクオーツ式よりもメンテナンス頻度が短く、一般的には3〜5年程度と言われています。
機械式はクオーツ式よりも繊細な構造です。そのため、ムーブメント交換の難易度も高いです。
クオーツ式のムーブメントの特徴
電池を動力源として動いているのが、クオーツ式のムーブメントです。定期的な電池交換が必要となり、モデルにもよりますが電池寿命は約2〜3年です。
機械式のムーブメントよりも精度が高く、時間の誤差が少ないという特徴があります。メンテナンス頻度は5〜7年程度と機械式よりも長く、コストパフォーマンスに優れたムーブメントと言えます。
クオーツ式は、機械式と比べるとムーブメント交換がしやすいです。正しい手順で行えば、自分でできる可能性もあります。
【条件付き】腕時計のムーブメント交換は自分でできる!



腕時計のムーブメント交換は自分でもできます。ただし腕時計に関する知識が豊富で、細かな作業が得意な方に限ります。
ムーブメント交換には専用工具を揃えるだけでなく、同じ型のムーブメントを見極めて購入する目利きも必要です。そのため、基本的には自分でのムーブメント交換はおすすめしません。
工具を揃えて、新しいムーブメントを購入しても、作業途中で部品を破損させてしまう可能性もあります。結果的に費用が高額になってしまうこともあるため、最初からプロに依頼した方が賢明です。
腕時計のムーブメント交換を自分でする際に必要な工具



腕時計のムーブメント交換を自分でする際に必要な工具は以下のとおりです。
- 裏蓋を開ける工具
- ピンセット
- 薄いビニール
- 剣押さえ・剣抜き
- 部品トレイ
裏蓋を開ける工具
腕時計のムーブメント交換を行う際は、裏蓋を外す必要があります。主に裏蓋の種類は3つあり、使用する工具も異なります。
はめ込み式



はめ込み式はケースに裏蓋がはめ込まれているタイプで、腕時計で最も多く採用されている構造です。はめ込み式を開けるには、以下のような「こじ開け器」が必要です。
裏蓋にある隙間にこじ開け器を入れて、テコの原理を利用して開けます。
はめ込み式のなかには、サビや汚れで開かなくなっているものも多いです。以下の記事では、固くて開かない場合の対処法も紹介しているので参考にしてください。
スクリュー式



ネジのように回して開けるのがスクリュー式です。主に防水性の高い腕時計に採用されます。
開けるには「オープナー」と呼ばれる工具と、腕時計を動かないようにする「固定台」が必要です。
腕時計を固定台に取り付けて、オープナーで左に回せば開きます。



ネジ式



ネジ式はマイナス、またはプラスのネジで留まっています。小さなネジに対応できる精密ドライバーを使用します。
力任せに開けると折れる場合もあるため、徐々にドライバーを回して開けることがコツです。
ピンセット
針やムーブメントなどの部品を素手で触ると、傷がついたり汚れがついたりします。そのため、小さな部品を掴めるピンセットが必要です。
ピンセットは部品を掴むだけでなく、りゅうずを抜く際にも役立ちます。電池交換やサイズ調整など、修理全般に使用するため持っておきましょう。
薄いビニール
薄いビニールは針を抜き取る際に使用します。ビニールを被せることで、腕時計に直接工具を当てたときの傷を防止できます。
わざわざ購入しなくても、家にある薄いビニールやラップで代用可能です。針や文字盤を傷つけたくない方は準備しておきましょう。
剣押さえ・剣抜き
剣押さえや剣抜きといった、腕時計の針の修理に特化した工具も使用します。剣押さえは外した針を取り付ける役割で、剣抜きは付いている針を外す道具です。
腕時計のムーブメントを交換するには、りゅうずだけでなく針を外す必要があります。剣押さえ・剣抜きがあれば、針や文字盤に負担をかけることなく作業できます。
部品トレイ
部品トレイは、外したりゅうずや針を保管するために必要です。複数の区間ごとに分かれているトレイであれば、部品が混ざることはありません。
机に部品を置いたままだと、作業中に見失うことがあります。トレイで管理しておけば、無くしにくいので安心です。
腕時計のムーブメント交換を自分でする方法



腕時計のムーブメント交換を自分でする方法は以下のとおりです。
- ベルトを外す
- 裏蓋を開ける
- りゅうずを抜く
- 針を外す
- ムーブメントを交換する
- 針を取り付ける
- りゅうずを戻して動作確認する
①ベルトを外す
まずは作業がしやすいようにベルトを外します。革ベルトの場合、連結されていないためそのままでも問題ありません。



金属ベルトは中留(バックル)から簡単に外せます。ピンセットのような細いもので穴を押すと、バネ棒が縮みます。



②裏蓋を開ける
ベルトを外したら裏蓋を開けます。裏蓋を開ける際は、裏蓋の構造に合った工具が必要です。
裏蓋の種類は主に以下の3つです。
- はめ込み式
- スクリュー式
- ネジ式
はめ込み式は、「こじ開け器」と呼ばれる工具を使用します。
スクリュー式は「オープナー」と「固定台」と呼ばれる工具を使います。
小さなネジを回せる「精密ドライバー」が必要なのがネジ式です。
なお、以下の記事では裏蓋ごとの正しい開け方について解説しています。裏蓋を開ける際の参考にしてください。
③りゅうずを抜く
裏蓋を開けたらりゅうずを抜きます。りゅうずはムーブメントに差し込まれているので、抜き取る必要があります。
りゅうずを抜く際は、「オシドリ」と呼ばれる部品を探しましょう。ほとんどの場合、りゅうず付近にあります。



オシドリを見つけたら、ピンセットやまち針のような細いもので押します。オシドリを押しながらりゅうずを引っ張ると抜ける仕組みです。



④針を外す
りゅうずを抜いて文字盤をケースから取り出します。ムーブメント中央の軸に針が固定されているため、針を外します。
針を外すには「剣抜き」と呼ばれる工具が必要です。
膨らんだ部分を押すと真ん中の棒が出てきます。これにより、針を均等な力で掴みながら外すことが可能です。



剣抜きをそのまま使用すると、針や文字盤が傷つく場合があるため、ビニールやラップで保護しましょう。



剣抜きで3本の針を掴みます。剣抜きの膨らんだ部分を掴むと一気に針が取れます。



短針の下にしっかりと剣抜きを入れ込むと、傷がつくリスクを抑えられます!
文字盤の裏にある棒がムーブメントに刺さって止まっています。隙間に小さなマイナスドライバーを優しく入れて、ムーブメントから文字盤を外しましょう。



これで文字盤とムーブメントが外せました。



⑤ムーブメントを交換する
ムーブメントから文字盤を外したら、新しいムーブメントに交換します。新しいムーブメントは、ムーブメントに番号が書いてあるのでそれを参考に購入します。



文字盤の穴にムーブメントの軸が入るように位置を調整します。指で軽く押して文字盤をムーブメントに固定しましょう。
⑥針を取り付ける
文字盤とムーブメントを固定できたら針を取り付けます。「剣押さえ」と呼ばれる工具を使用します。
取り付ける順番は短針、長針、秒針の順です。傷がつかないようにシートを被せ、剣押さえで優しく押し込みましょう。



針を強く押すと曲がるので注意してください!
すべての針を12時に合わせておけば、正しい位置で時間を表示してくれます。



⑦りゅうずを戻して動作確認する
針をムーブメントに取り付けたらケースに戻します。りゅうずを押し込んで、針がきちんと動作するか確認します。
針を確認する際は、以下の3つをチェックしましょう。
- 針同士が接触していないか
- 針ズレが起きていないか
- 日付がきちんと切り替わるか
動作確認して問題なければ裏蓋を閉めます。以上の工程を踏めば、自分でもムーブメント交換が可能です。
このように腕時計のムーブメント交換は、多くの工程と繊細な作業が必要となります!
腕時計のムーブメント交換を自分でする場合の料金



腕時計のムーブメント単体の料金は、1,000円〜1万円程度です。それに追加で工具代がかかります。ムーブメントは比較的安価で購入でき、Amazonなどの通販でも取り寄せ可能です。
「安いから自分でやろう」と考えた方も多いと思います。しかしムーブメントの種類は豊富にあり、ピッタリ合う型を探すのは初心者の方にとって難易度が高いです。
仮に同じようなムーブメントを購入できたとしても、りゅうずや針を外す工程があります。ムーブメントや針は繊細な作りのため、少し力を入れただけでも壊れるリスクがあります。
そのため、壊れても良いような腕時計の場合は試してみるのも良いでしょう。しかしこれからも長く使用したいと思っている腕時計なら、プロに任せた方が安心です。
腕時計のムーブメント交換をプロに依頼する2つの方法と料金



腕時計のムーブメント交換をプロに依頼する方法は以下の2つのパターンがあります。
- 正規メーカーに依頼する
- 時計修理専門店に依頼する
それぞれの依頼方法と料金について解説します。
正規メーカーに依頼する方法と料金
正規メーカーに依頼する場合、インターネットからまたは直接時計店へ持ち込む方法があります。最近では個人でもインターネットを利用すれば、オーバーホールを申し込めるメーカーも多いです。
参考までに、ロレックスとオメガを正規メーカーに修理依頼する場合、以下の料金がかかります。
| ブランド名 | オーバーホール料金(税込) |
| ロレックス | 99,000円〜 |
| オメガ | 86,900円〜 |
正規メーカーはそのブランドに精通した職人が対応してくれます。そのため、技術力に関しては安心です。一方で、費用が高額といったデメリットもあります。
その他メーカーの修理料金を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
時計修理専門店に依頼する方法と料金
時計修理専門店は、時計の修理に特化した専門店です。店舗から依頼することもできますが、オンラインからでも手軽に申し込めます。
正規メーカーとの最大の違いは修理料金の安さです。以下の表では、正規メーカーと時計修理専門店とのオーバーホール料金を比較しました。
| ブランド名 | メーカーのオーバーホール料金(税込) | 時計修理専門店のオーバーホール料金(税込) |
| ロレックス | 99,000円〜 | 25,300円〜 |
| オメガ | 86,900円〜 | 22,000円〜 |
ブランドやモデルによって料金は異なりますが、なるべく費用を抑えたい方は時計修理専門店がおすすめです。また正規メーカーよりも修理期間が短いことも特徴です。
失敗しない時計修理専門店の3つの選び方



時計修理専門店に依頼する場合、選び方のポイントがあります。失敗しないためには、事前に以下の3つを確認しましょう。
- 豊富な修理実績はあるか
- 信頼できる技師が在籍しているか
- 修理後の保証はあるか
豊富な修理実績はあるか
信頼できる時計修理専門店を選ぶには、豊富な修理実績があるか確認することです。豊富な実績があればそれだけ技術力も高いです。
また修理依頼する人が多いため、人気のある店舗とも言えます。大切な腕時計を任せるので、豊富な実績があるかはチェックしておきましょう。
信頼できる技師が在籍しているか
信頼できる技師が在籍していることも大切です。正しい知識と高い技術力のある技師に任せることで、腕時計を安心して任せられます。
信頼できる時計修理専門店を選ぶコツとして、「時計修理技能士」と呼ばれる国家資格の有無があります。特に1級の資格を持つ技師がいる店舗は、技術力には問題がないと言えるでしょう。
時計修理技能士の資格を保有している場合、時計修理専門店のホームページに記載があります。そのため、事前に技師のレベルを確認してから依頼することが賢明です。
修理後の保証はあるか
修理後の保証があれば、万が一不具合が起きても安心です。信頼できる時計修理専門店であれば、モデルにもよりますが3ヶ月〜1年程度の保証が付きます。
一方で極端に保証期間が短かったり、そもそも保証がない店舗は避けましょう。修理後すぐに不具合が発生しても、実費での対応となるためです。
【おすすめ3選】腕時計のムーブメント交換を安心して任せられる時計修理専門店



腕時計のムーブメント交換(オーバーホール)を安心して任せられる時計修理専門店を3選紹介します。実績や技術力に定評のある店舗に絞りましたので、修理する際の参考にしてください。
| 時計修理専門店名 | WATCH COMPANY![]() ![]() ![]() | 時計修理専門店CIEN(シエン) ![]() ![]() ![]() | リペスタ![]() ![]() ![]() |
| オーバーホール料金 | ロレックス:25,300円〜オメガ:22,000円〜 | ロレックス:27,500円〜オメガ:22,000円〜 | ロレックス:27,500円〜オメガ:25,300円〜 |
| 納期 | 最短2週間 | 約4週間 | 4週間〜5週間程度 |
| 技術力 | 直営修理工房の経験豊富な時計修理技能士が多数在籍。 | 元ロレックス技術者、メーカー修理部門出身者、1級時計修理技能士、2級時計修理技能士、時計技術学校卒、技術暦20年以上など在籍。 | 元ロレックス技術認定者2名、一級時計技能士5名と二級時計技能士2名、専任研磨技師スタッフ1名が在籍。 |
| 修理保証 | 1年間 | 1年間 | 1年間 |
| 純正部品の使用 | 原則メーカー純正部品を使用。 | すべてメーカー純正部品を使用。 | 原則メーカー純正部品を使用。 |
| 見積り料金 | 無料 | 無料 | 無料 |
豊富な修理実績のある「WATCH COMPANY」



| 項目 | 内容 |
| オーバーホール料金 | ロレックス:25,300円〜 オメガ:22,000円〜 |
| 納期 | 最短2週間 |
| 技術力 | 直営修理工房の経験豊富な時計修理技能士が多数在籍。 |
| 修理保証 | 1年間 |
| 純正部品の使用 | 原則メーカー純正部品を使用。 |
| 見積り料金 | 無料 |
WATCH COMPANYは、年間約30,000本の豊富な修理実績がある専門店です。経験豊富な時計修理技能士が多数在籍しているため、安心して任せられます。
ロレックスやオメガ、IWCなどの海外ブランドの修理に特化しており、価格もリーズナブルです。ブランドやモデルによっては、正規メーカーよりもオーバーホール料金が最大60%程度安くなる場合もあります。
オーバーホールの技術だけでなく、新品仕上げ(研磨)に関しても評価が高いです。部品一つ一つを丁寧に磨いてくれるので、古い腕時計も新品時の状態によみがえらせます。
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親切・丁寧対応の「時計修理専門店CIEN(シエン)」



| 項目 | 内容 |
| オーバーホール料金 | ロレックス:27,500円〜 オメガ:22,000円〜 |
| 納期 | 約4週間 |
| 技術力 | 元ロレックス技術者、メーカー修理部門出身者、1級時計修理技能士、2級時計修理技能士、時計技術学校卒、技術暦20年以上など在籍。 |
| 修理保証 | 1年間 |
| 純正部品の使用 | すべてメーカー純正部品を使用。 |
| 見積り料金 | 無料 |
スタッフが親切・丁寧な対応で、安心して任せられるのが「時計修理専門店CIEN(シエン)」です。初めて腕時計の修理を依頼する方にも、専門知識のあるスタッフがわかりやすく説明してくれます。
交換部品はすべてメーカー純正品を使用し、1級時計修理技能士や技術暦20年以上の技師が在籍。さらに修理後の保証が1年あるため、技術力と安心感の高さが特徴です。
見積りは無料で、オンライン上で手続きが完了します。信頼できる時計修理専門店を探している方は、まずは気軽に問い合わせてみましょう。
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高い技術力を誇る「リペスタ」



| 項目 | 内容 |
| オーバーホール料金 | ロレックス:27,500円〜 オメガ:25,300円〜 |
| 納期 | 4週間〜5週間程度 |
| 技術力 | 元ロレックス技術認定者2名、一級時計技能士5名と二級時計技能士2名、専任研磨技師スタッフ1名が在籍。 |
| 修理保証 | 1年間 |
| 純正部品の使用 | 原則メーカー純正部品を使用。 |
| 見積り料金 | 無料 |
リペスタは、元ロレックス認定技師が立ち上げた時計修理専門店です。ロレックスだけでなくオメガやカルティエなど、幅広いメーカーに精通した技師が在籍しているため高い技術力を誇ります。
修理環境においてもプロ意識が高く、純正工具を使用することでメーカーと同等のクオリティを提供してくれます。海外から部品を注文するため、他社で断られたようなアンティークウォッチでも柔軟に対応してくれるでしょう。
専用の配送キットを利用すれば、自分で梱包材を用意する必要もありません。見積りも配送キットも無料のため、初めての方でも安心して利用できます。
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まとめ:腕時計のムーブメント交換は自分でできる!(ただし難しい)
腕時計のムーブメント交換は、正しい知識と工具があれば自分でもできます。ただしりゅうずを抜いたり針を外したりと、初心者の方には難易度が高いです。さらに、元の腕時計に合うムーブメントを探すにも目利きの技術がいります。
ムーブメントを扱う修理の場合、プロに任せた方が賢明です。優良な時計修理専門店であれば、正規メーカーと技術力が同等で最大60%程度の費用を抑えられる可能性があります。
時計修理専門店に依頼する場合、豊富な実績があり、高い技術力のある技師が在籍しているかどうかが大切です。この記事で紹介した専門店は、すべて無料で見積りを出してもらえるので、まずは気軽に問い合わせてみましょう。












