【初心者必見】腕時計の裏蓋の正しい開け方！必要工具や固い場合の対処法

腕時計の裏蓋を開ける際に、正しい知識がないと失敗してしまう可能性があります。裏蓋やケースに傷がついたり、手が滑って内部の機械を壊したりすることもあるでしょう。

この記事では、腕時計の正しい裏蓋の開け方や閉め方、必要な工具を解説します。記事を読めば、腕時計に負担をかけることなく安全に裏蓋を開けられるでしょう。

腕時計の裏蓋の種類と開けるのに必要な工具

腕時計の裏蓋の種類と開けるのに必要な工具は以下のとおりです。自分で簡単にできる裏蓋は主に3つあり、使う工具も異なります。

【はめ込み式】こじ開け器

はめ込み式は、裏蓋が時計本体に埋め込まれているタイプで、最も多くの腕時計に使用されている構造です。裏蓋とケースとの間に小さな隙間があるので、こじ開け器と呼ばれる工具をさし込んで開けます。

テコの原理を利用して開くため、こじ開け器があれば比較的外しやすいです。しかし、年数の経過した腕時計はパッキンが劣化して固着している可能性があるので、開けにくい場合もあります。

【スクリュー式】オープナー、固定台

6箇所程度の溝があり、裏蓋の刻印が腕時計の向きと揃っていない場合はスクリュー式です。工具は溝に引っ掛けて開けるオープナーと、腕時計を固定する台が必要です。

スクリュー式は防水性が10気圧以上の腕時計に使用されることが多く、水が入りづらいねじ込み構造になっています。しっかりと密閉されているので、回す際は力を要します。

【ねじ式】マイナスまたはプラスドライバー

ねじ式は、裏蓋とケースをねじで固定しています。一般的には4本のねじで留まっていますが、多いものだと8本程度で留まっている場合もあります。工具は、マイナスまたはプラスドライバーを使用して裏蓋を開けましょう。

ねじをドライバーで回すだけなので、3種類の裏蓋のなかでは最も簡単な構造です。注意点として、ねじや裏蓋とケースの間が茶色く変色している場合、ねじがサビている可能性が高いです。力任せにドライバーを回すとねじが折れるため、作業に取り掛かる前に確認しましょう。

腕時計の裏蓋の開け方と閉め方

前述で紹介した3種類の裏蓋の開け方と閉め方について解説します。試してみて「難しそうだな」と感じたら、壊れる前に中止するようにしましょう。

はめ込み式

まずは裏蓋にある隙間を探します。隙間はモデルにもよりますが、りゅうずと逆方向あたりにあることが多いです。

サイズの合ったこじ開け器をさし込んで、テコの原理を利用して上下にぐいぐいと力を入れながら中に入れます。

裏蓋を閉める際は、りゅうずの位置と裏蓋の溝を合わせてから押し込みます。溝のない部分で閉めると、りゅうずが折れる可能性があるためです。

両手の親指で裏蓋を持ち、人差し指と中指でガラスではなくケースのふちを支えるようにしましょう。ガラスに力が加わりすぎると割れるリスクがあります。

パチっと音が鳴り、裏蓋とケースの間の隙間がなくなれば閉まっています。

裏蓋が固くて閉まらない場合、専用の閉め具を使う方法もあります。しかし閉め具の使用にもコツがいるため、難しそうなら時計店に持っていく方が賢明です。

スクリュー式

スクリュー式は、オープナーを使用する前に固定台にしっかりと押さえつけます。腕時計が固定されないと、力がきちんと伝わらないためです。

腕時計を固定したら溝にオープナーの爪を引っ掛けます。オープナーをしっかりとはめ込んだ状態で左方向に回します。

裏蓋を閉める場合、右方向に回すと閉まります。閉める際もオープナーをしっかりと引っ掛けて力を加えます。指で裏蓋を回したときに開かなければ問題ありません。

裏蓋を閉めすぎるとケースが破損する可能性があります。きつく閉めたからといって防水性にはあまり影響はないため、無理に力を加えないようにしましょう！

ねじ式

ねじ式の裏蓋を開ける場合、ねじの形状と大きさに合ったドライバーを用意します。サイズが合わないとねじ頭が潰れて、次に開けたいときに開けられなくなります。

ドライバーをねじに当て、左方向に回すと緩みます。ねじがサビていると折れる可能性があるため、急に回さずに徐々に力を入れましょう。

ねじを締める際は、対角の順番で行うと締め付ける力を均等にできます。1本ずつしっかりと締めていくのではなく、最初は軽く回して4本締め終えたら最後にギュッとすると力のバランスが良くなります。

腕時計の裏蓋が固くて開かない場合の対処法

腕時計の裏蓋が固くて開かない場合の対処法は以下のとおりです。力任せに作業して腕時計を傷つけないためにも覚えておきましょう。

【はめ込み式】こじ開け器をハンマーで叩く

はめ込み式の裏蓋が開かない場合、こじ開け器の持ち手部分をハンマーで叩くと開けやすいです。叩いた衝撃を加えることで、手だけで開けるよりも力が加わります。

腕時計のこじ開け器を片手だけで支え、もう一方の手でハンマーを握って軽く叩きます。強く叩き過ぎると針が緩む可能性があるため、ほどほどの力で行いましょう。

【スクリュー式】裏蓋の隙間に油をさす

スクリュー式の裏蓋は、隙間に油をさすことで開きやすくなります。裏蓋とケースの間の摩擦が少なくなって、開きやすくなるのです。

固くて開かない原因はサビやパッキンの劣化によるものが多いです。油をさして少し時間を置くことで、浸透してさらに開きやすくなります。

【ねじ式】ねじに油を垂らす

ドライバーで回してもねじ式が開けられない場合、ねじに油を垂らしましょう。油が染み込むことでねじの滑りが良くなります。

ねじが回らない原因は、サビが進んでいることがほとんどです。サビでねじが固まっているため、一気に力を入れると折れる可能性があります。油を垂らしたら徐々に力を加えることが大切です。

腕時計の裏蓋を専用工具なしで開ける方法

腕時計の裏蓋を専用工具なしで開ける方法は以下のとおりです。意外に身の回りにあるもので開けられます。

専用工具を使用しないと傷がつく可能性が高いためおすすめはしません。どうしても工具が準備できない場合のみ試してみるようにしましょう！

【はめ込み式】カッターナイフで開ける

はめ込み式の場合、カッターナイフを使用する方法があります。カッターナイフの刃を利用して、裏蓋をこじ開けるのです。

カッターナイフを隙間に入れ、力を込めながら上下に動かすと裏蓋が開きます。裏蓋やケースがカッターナイフの刃で傷がつく可能性があるため、隙間にセロテープや透明な袋を被せることをおすすめします。

【スクリュー式】ゴムボールを使用する

スクリュー式の裏蓋は、ゴムボールを使用すれば開けられることも多いです。固い素材ではなく、裏蓋に密着する柔らかいものがおすすめです。

腕時計をしっかりと支えて、ゴムボールを押し当てて下に力を入れながら左に回します。少しずつ力を加えることで、外しやすくなります。

【ねじ式】ハサミを押し当てる

ねじ式は、ねじ頭の溝に合うサイズのハサミを押し当てると回せる場合があります。大きなハサミは溝に入らないので、小さめのハサミを選ぶようにしましょう。

ハサミを使用すると高確率でねじ頭が潰れます。潰れると次回裏蓋を開けることが困難になります。ドライバーは1,000円程度でも販売されていますので、サイズに合った工具を使うことがおすすめです。

腕時計の裏蓋を開ける際の3つの注意点

腕時計の裏蓋を開ける際の注意点は以下の3つです。ポイントを押さえておかないと、腕時計が破損することがあります。

力任せに工具を使用しない

力任せに工具を使用すると、内部の機械を破損させる可能性があります。滑った工具が機械を傷つけると修理が必要になります。

はめ込み式は工具が滑りやすいので注意が必要です。しっかりと工具と腕時計を手で握って、脇を締めながら少しずつ力を入れるようにしましょう。

滑らないように腕時計を固定する

裏蓋を開ける際は、腕時計をしっかりと固定する必要があります。固定しないと、工具が滑って裏蓋を傷つけてしまうためです。

特にスクリュー式は固定しないと、オープナーの爪が滑って深い傷をつけてしまいます。腕時計を固定台にしっかりとはめ込んで、動かないことを確認してから作業しましょう。

サイズが合った工具を使用する

サイズの合った工具を使用しないと、裏蓋や部品が変形します。裏蓋を開ける際は、サイズの合う工具を確認してから作業に取り掛かりましょう。

なかでも注意が必要なのは、ねじ式の裏蓋です。ドライバーのサイズを間違えると、ねじ頭が潰れて開けられなくなります。開けられない場合はメーカーでケース交換になることもあるため、サイズの合った工具を選びましょう。

まとめ：腕時計の裏蓋を開ける前に正しい知識を身につけよう！

腕時計の裏蓋を開ける際は、力任せに行わず少しずつ力を込めるようにしましょう。傷をつけないためにも、なるべく専用工具を使用することが大切です。

事前に裏蓋のタイプと構造、必要工具を把握しておけば、傷をつけることなく安全に開けられます。固くて開かない場合も強引にしようとせず、それぞれのタイプに合った対処法を試しましょう。

自分で裏蓋を開けられるようになれば、電池交換の費用を節約できるようになります。ただし「自分では難しそうだな」と感じたら、壊れる前にメーカーや修理店に依頼する方が賢明です。