- 固い裏蓋の閉め方が知りたい!
- できれば専用工具なしで閉めたい!
腕時計の裏蓋が固くて閉まらない場合、指の力だけで閉めるのは難易度が高いです。そのまま力任せに続けると、腕時計が破損するリスクがあります。
この記事を書いた人

モリオ
- 時計店で10年勤務
- 毎日10本以上の腕時計に触れ、電池交換や修理に対応
- セイコー・シチズン・カシオなど国産腕時計の知識が豊富
- 初心者にもわかりやすく解説するのがモットー
この記事では、腕時計のはめ込み式の裏蓋の閉め方を解説します。記事を読めば、専用工具なしで裏蓋を閉められる可能性が高まるでしょう。
どうしても閉まらない場合、やはり裏蓋閉め器を使う必要があります。裏蓋閉め器の正しい使用方法も紹介しているため、ぜひ参考にしてください!
腕時計の裏蓋が閉まらない4つの原因



腕時計の裏蓋が閉まらない原因は、主に以下の4つです。閉まらない原因を把握しておけば、意外にも簡単に閉められます。
- 裏蓋がケースと噛み合っていない
- パッキンのサイズが間違っている
- 内部の機械が浮いている
- 元々閉まりづらい構造になっている
裏蓋がケースと噛み合っていない
裏蓋がケースと噛み合っていない場合、最後まで閉まりません。裏蓋の角度がずれた状態では、いくら力を込めても押し込められないためです。
無理に押し込もうとすると、裏蓋やケースの変形に繋がります。閉める前に裏蓋が水平かどうか確認しましょう。
「なかなか閉まらない」と思ったら、裏蓋を一旦外して調整することが大切です!
パッキンのサイズが間違っている
適切なサイズのパッキンが入っていないと、裏蓋が閉まりづらいです。パッキンが厚すぎたり大きすぎることで、裏蓋が浮いて閉まらなくなります。
一方でパッキンが薄くて小さい場合、裏蓋は閉まりますが水が侵入して腕時計が故障する可能性があります。電池交換などでパッキン交換する際は、元のサイズと同じものを使用しましょう。
パッキンのサイズを正しく測りたい方は、以下の記事も参考にしてください。



内部の機械が浮いている
内部の機械が浮いていることで、裏蓋がしっかりと閉められなくなります。電池交換して機械が持ち上がったら、正しい位置に直してから裏蓋を閉めることが大切です。
内部の機械が浮いた状態で無理に裏蓋を閉めると、機械の故障だけでなく文字板の変形にも繋がります。修理費用をかけないためにも、機械が浮いていると感じたらすぐに調整しましょう。
元々閉まりづらい構造になっている
腕時計の種類によっては、元々裏蓋が閉まりづらい構造のモデルもあります。構造上どうしても指の力だけでは閉まらず、専用工具が必須の裏蓋も多いです。
次章で紹介する裏蓋の閉め方を試しても難しい場合、専用工具の購入か時計店で見てもらう必要があります。
ガラスや裏蓋を傷つけないためにも、無理するのは避けましょう!
【専用工具なし】腕時計の裏蓋が閉まらないときの3つの方法



専用工具を使用せず裏蓋を閉める方法は以下の3つです。真似できるやり方があれば取り入れて、裏蓋を閉める際の参考にしてください。
- 机の角に裏蓋を押し当てる
- 引き出しを利用する
- 裏蓋に潤滑油を塗って閉める
机の角に裏蓋を押し当てる
専用工具がなくても、机の角に裏蓋を押し当てて閉める方法があります。裏蓋の一部だけが閉まらない場合、平らな面よりも角を使う方が力が入りやすいです。



傷防止のためにハンカチやタオルといった柔らかな布で腕時計を包み、机の角に押し当てます。なるべくガラスに力が加わらないよう押さえて、体重をかけて力を加えます。



パチッと音がしたら裏蓋が閉まった証拠です。
最初にりゅうず側だけ裏蓋を押し込んでおき、浮いた反対側を角を使って押し込むと閉まりやすいです!
引き出しを利用する
引き出しを利用して裏蓋を閉めることも可能です。普通に指で閉める方法よりも、より力が入りやすいです。
引き出しの前板部分に裏蓋を押し当てます。両手の人差し指でなるべくガラスではなくケースを持ち、両方の親指で引き出しを固定します。



そのまま人差し指を自分の方向に押し込み、引っ張るように力を入れます。人差し指で押す力と、親指で支える2つの力が加わることで、固い裏蓋も閉まりやすくなるのです。



引き出しは硬い木製素材がおすすめです!
裏蓋に潤滑油を塗って閉める
ご自宅に金属に塗るような潤滑油をお持ちの方は、裏蓋に塗ると閉まりやすくなります。潤滑油を塗ることで滑りが良くなり、摩擦を軽減してくれます。
裏蓋の端全体に潤滑油を馴染ませて指で閉めてみましょう。指で押さえる箇所にも潤滑油がついていると滑って力が入らないため、余分な部分はティッシュ等で拭き取ります。



潤滑油には、腕時計専用のグリスと呼ばれるものがあります。パッキンに塗れば防水性が高くなるため、自分で電池交換する方は持っておいても良いでしょう。
それでも裏蓋が閉まらないなら裏蓋閉め器を使う



「専用工具なしの閉め方」を試してもできない場合、人力では難しいタイプの裏蓋である可能性が高いです。自分で閉めたい方は、裏蓋閉め器を使用する必要があります。
現役の時計屋の私が、実際に裏蓋閉め器を購入して解説してみました。Amazonで1,000円台という安価な値段で購入したので、なるべくお金をかけずに裏蓋を閉めたい方は参考にしてください。
今回購入した裏蓋閉め器はこちらです。
①サイズの合う工具をセットする
まずは腕時計のサイズに合う工具をセットします。サイズを間違うとガラスが割れたり、裏蓋が変形したりするため慎重に見極めましょう。
ガラスよりも大きな工具を選んで、下の台にセットします。






裏蓋に当てる工具は、ジャストサイズか少し小さめのものを選びます。



きちんと閉められるように裏蓋や工具の位置を調整します。



腕時計が斜めになっていると裏蓋が上手く閉まりません。腕時計は平行に置くようにしましょう!
②力を加えて裏蓋を閉める
腕時計を台にセットしたら、力を加えて裏蓋を閉めます。閉め器の上のツマミを回すと、徐々に裏蓋に力が加わる仕組みです。



パチッと閉まる音がすれば裏蓋が閉まっています。
閉まらない場合、腕時計が水平になっているかや、工具の大きさを変えて再チャレンジしましょう。
③裏蓋が閉まっているか確認する
ツマミを緩めて腕時計を取り出し、裏蓋が閉まっているか確認します。横から裏蓋を見て、隙間がなければ閉める作業は完了です。



裏蓋閉め器を持っておけば、特殊な構造でない限りは閉められます。自分で電池交換などをしたいと考えている方は、試してみても良いでしょう。
腕時計の裏蓋を閉める際の注意点



腕時計の裏蓋を閉める際の注意点は以下の3つです。失敗して腕時計を破損させないためにも覚えておきましょう。
- 平面ガラスか球面ガラスかを見極める
- りゅうずの位置を確認しながら閉める
- パッキンが伸びていないか確認する
平面ガラスか球面ガラスか見極める
裏蓋を閉める前に、平面ガラスか球面ガラスかを見極めます。球面ガラスの場合、指で押さえたり、机に押し付けたりすると割れる可能性があるためです。



球面ガラスを閉める際は、なるべくガラスに触れないように閉める必要があります。一方平面ガラスは、力が均等に加わるため割れにくい構造ですが、ケース側を持って閉める方がより安心です。
りゅうずの位置を確認しながら閉める
りゅうずの位置を確認しながら裏蓋を閉めます。りゅうずと裏蓋には正しい位置関係があるためです。適当に裏蓋を閉めると、りゅうずに負荷がかかって折れるリスクが高まります。



上記の画像のように、裏蓋のくぼみ部分がりゅうずの位置に当たるように閉めましょう。
パッキンが伸びていないか確認する
パッキンが伸びていると、裏蓋からはみ出して上手く閉められません。防水性が低下する原因にもなるので、パッキンが伸びていたら交換するのが理想です。



パッキンは小さな部品ですが、劣化していると内部の機械を劣化させる要因となります。
Amazon等でも気軽に購入できるため、自分で交換したい方はチェックしましょう!
まとめ:裏蓋が閉まらないときはまずは身の回りにあるもので対処!
腕時計の裏蓋は机の角や引き出しなど、意外に身の回りにあるもので閉められる場合があります。金属に塗る潤滑油がある方は、使用することでより閉まりやすくなります。
それでも閉まらない場合、専用の裏蓋閉め器を購入しましょう。指で作業するよりも何倍も力が入るので、苦労せずに裏蓋を閉められます。
しかし自分で裏蓋を閉める際は、ケースに傷がついたり、ガラスが割れたりする可能性があります。「小傷くらい気にならない」「仕事用時計だから費用を節約したい」といった方は、本記事を参考にしながらチャレンジしてみてください。


