- 光を当てても動かないけど故障?
- ソーラー腕時計にも寿命はあるの?
ソーラー腕時計は定期的に光を当てないと充電残量が減って、いずれは止まってしまいます。止まると1週間程度光を当てなければフル充電しません。そのため、いざ使用したいときに着けられないといった状況になります。
この記事を書いた人

モリオ
- 時計店で10年勤務
- 毎日10本以上の腕時計に触れ、電池交換や修理に対応
- セイコー・シチズン・カシオなど国産腕時計の知識が豊富
- 初心者にもわかりやすく解説するのがモットー
この記事では時計販売の現場で10年働いている私が、ソーラー腕時計の正しい充電方法を解説します。記事を読めば、充電不足で腕時計が使えないといったことを防げます。




ソーラー腕時計の寿命や長持ちさせる方法についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください!
ソーラー腕時計が動かないときは光を当てて充電する



ソーラー腕時計が動かないときは、まずは光を当てて充電することが大切です。光を当ててみないと時間合わせもできず、故障なのかも判断できません。
充電時のポイントは以下の3つです。
- 太陽光が一番早く充電が溜まる
- 1週間程度は光を当てる
- 動いていない時間が長いほど故障の可能性が高まる
太陽光が一番早く充電が溜まる
充電する際は太陽光が一番早く充電が溜まります。下記の表のように、部屋の蛍光灯と比べると何倍もの強さがあります。
引用:充電について|SEIKO
夏場は太陽が出ていることが多く、着用していれば勝手に充電されます。しかし、冬場は日照時間が短いこと長袖の下に隠れてしまうことから充電が低下しやすいです。
早く使用したいのであれば、太陽光に当てて充電しましょう。
1週間程度は光を当てる
完全に腕時計が止まっている場合、1週間程度光を当てないとフル充電しません。1〜2日だけ充電してもすぐに止まってしまいます。
季節にもよりますが、日中に太陽光が出ている窓際で1週間充電すれば安心です。なお、部屋の天井の蛍光灯では光の量が足りないので、フル充電までにさらに時間がかかります。
曇りの日でも太陽光は出ているので、天井の蛍光灯よりかはフル充電するまでが早いです。さらに机に置いてあるスタンドライトでも十分に充電できるので、1週間程度置いてみましょう。
動いていない時間が長いほど故障の可能性が高まる
腕時計が動いていない時間が長いほど、故障の可能性が高まります。動いていないと機械内部の油が使われないため劣化に繋がります。
ソーラー腕時計の寿命をなるべく延ばすためには、動いている状態を維持することです。常に機械を動かしておくことで、なるべく油の劣化を防げます。
ソーラー腕時計が動かなくなるときの3つのサイン



ソーラー腕時計のほとんどのモデルは、止まる前に充電不足のサインがあらわれます。以下の3つの動きが見られると、充電不足である可能性が高いです。
- 秒針が2秒ずつ動いている
- 針が12時で止まっている
- 「CHG」マークが点滅している
秒針が2秒ずつ動いている
秒針が2秒ずつ動いている場合、充電が足りなくなっているケースが多いです。内部のソーラー用電池の寿命も考えられますが、そこまで古い腕時計でなければ充電不足と言えるでしょう。
久々に使おうと思って引き出しから出したときや、光の当たらない場所に長期間保管していると充電残量が減ります。2秒運針からさらに充電されない時間が続くと腕時計が止まります。
針が12時で止まっている



ソーラー電波タイプに多いのが、充電不足になるとすべての針が12時で止まるという症状です。こちらの場合も、1週間程度光を当てて充電すれば復活する可能性が高いです。
電波時計であれば充電をしっかりと行えば時刻も自動で修正してくれます。逆にボタンやりゅうずに触ると時間がズレてしまうので、まずは充電して時刻が合うかどうか確認しましょう。
「CHG」マークが点滅している
カシオなどのデジタル時計の場合、充電が足りなくなると液晶部分に「CHG」マークが点滅します。モデルによっては「C」や「LOW」などのマークが表示されることもあります。
「CHG」マークが点滅していると、時刻が表示されないうえにボタン操作することもできません。どのボタンを押しても元に戻らないため、光を当てて充電する必要があります。充電が溜まればマークは消えて、いつも通り使用できるようになります。
ソーラー腕時計を充電しても動かない3つの理由



ソーラー腕時計を充電しても動かないときは、以下の3つの要因が考えられます。
- 光の量・充電時間が足りない
- 二次電池の劣化
- 内部機械の故障
光の量・充電時間が足りない
当てる光の量や、充電時間が足りないと正常に動きません。光は数時間当てることで動き出しますが、フル充電するには1週間程度の時間が必要です。
「2〜3日充電してもすぐ止まる」とお店に持って来られる方も多いですが、数日充電しただけではまた止まります。そのあと光を当てながら使えば止まりづらいですが、暗い場所での時間が多くなると再度充電が必要になります。
二次電池の劣化
ソーラー腕時計には、充電を蓄えるための「二次電池」が搭載されています。二次電池はクォーツ時計に使用されている電池(一次電池)とは違って、2〜3年ごとに交換する必要はありません。
年数の経過によって二次電池が劣化すると、しっかり充電しても動かなかったり、すぐに止まったりしてしまいます。二次電池が劣化した場合、メーカーや修理専門店などで交換しなければなりません。
内部機械の故障
充電しても正常に動かない場合、二次電池の劣化だけでなく内部機械の故障も考えられます。腕時計が古くなると内部の油の状態が悪くなり、歯車が円滑に動かなくなるためです。
内部機械が故障していれば、分解掃除(オーバーホール)が必要です。「ソーラー腕時計はメンテナンス不要」と考えている方もおられますが、どのような腕時計であっても定期的な修理は必須です。腕時計が古くなるほど修理箇所が増えて高額になるため、早めにプロに見てもらうことをオススメします。
ソーラー腕時計の寿命は長くて約10年



モデルにもよるためあくまで目安ですが、ソーラー腕時計の寿命は長くて約10年と言われています。スマートフォンを長年使用しているとバッテリーが劣化してくるように、腕時計の二次電池も年数が経てば不具合が出ます。
弊社のソーラー用二次電池は、通常、充電放電を繰返しながら、約7~10年前後ご使用いただける設計になっております。
しっかりと光を当てても動かなかったり、動くけどすぐに止まったりする場合は、二次電池の寿命が近づいている可能性が高いです。二次電池の交換や分解掃除(オーバーホール)をすれば、新品時の状態に復活します。
ソーラー腕時計を使わないときのオススメの保管方法3選



ソーラー腕時計を使わないときのオススメの保管方法は以下の3つです。腕時計の寿命を延ばすことにも繋がるため、取り入れてみてください。
- 明るい場所に置いておく
- 湿度の低い場所を選ぶ
- 磁気製品を避けて保管する
明るい場所に置いておく
ソーラー腕時計は暗い引き出しなどに入れずに、明るい場所で保管しましょう。太陽光が当たる窓際や、スタンドライトがある机に置いておくのがオススメです。
いざ使用しようと思ったときに止まっていると、1週間程度充電しなければ正常に使用できません。明るい場所に置く際は、文字板に光が当たるように置くようにしましょう。



湿度の低い場所を選ぶ
ソーラー腕時計のサビや腐食を防ぐためにも、湿度の低い場所での保管がオススメです。お風呂場や洗面所などの湿度の高い場所に置いておくのは避けましょう。
理想は風通しの良い場所での保管です。湿気が溜まりにくい場所を選べば、腕時計の寿命を延ばすことにも繋がります。
磁気製品を避けて保管する
ソーラー腕時計を磁気製品に近づけると、時間がズレるだけでなく故障の原因となります。磁気が発生する家電製品などから避けて保管することが賢明です。
具体的には、以下のような製品に近づけないようにしてください。
- スマートフォン
- パソコン
- テレビ
- ラジオ
- 磁気ブレスレット
- 磁気ネックレス など
特に、音が発生するスピーカー部分には強い磁気が帯びています。磁気を発生させる製品は身の回りにたくさんあるため、保管方法には気をつけましょう。
ソーラー腕時計の電池交換は自分ではできない



ソーラー腕時計の電池交換は、知識や技術が必要なので自分での交換はオススメできません。ソーラー用の電池はAmazonなどで簡単に入手できますが、電池の外し方や入れる位置を間違えると故障に繋がります。
故障すると分解掃除(オーバーホール)が必要になり、費用がかかることになります。結果的にプロに依頼した方が安上がりな可能性が高いため、自分で電池交換するのは避けましょう。
まとめ:ソーラー腕時計は定期的に充電すると寿命が延びる!
ソーラー腕時計が動かない場合、まずは太陽光に1週間程度当ててみてください。ただの充電不足であれば正常に動くようになります。
充電してもすぐ止まる場合は、光の量や充電する時間が足りない可能性が高いです。一方でしっかり光を当てても動かない場合は、ソーラー用の電池(二次電池)や内部機械の故障が考えられます。故障すると時計店やメーカーでの修理が必要です。
ソーラー腕時計の寿命を延ばすには止まらせないように動かしておくことです。長持ちさせるためには定期的な充電を心掛けて、内部の油を固まらせないようにして使用することがポイントです。